
サヨナラの足音
朝の光が 教室の隅っこを
優しく撫でて 今日が始まる
月並みだけど 春は別れの季節であり
出会いの季節でもあるよね
泣いて笑って この気持ちって
いくつになっても 慣れないなぁ
見慣れた掲示板 剥がれかけのポスター
明日にはもう 私の場所じゃないみたい
ローファーの踵 少し減った分だけ
歩いてきたね 迷いながらここまで
あの体育館裏の水道も
柔道場の汗臭さ
科学準備室の気味の悪いホルマリン漬けも
全部 全部 私たちの証
滲む視界の先にある
青い空を 忘れたくない
ノートの端に 書き殴った夢
誰にも言えずに 閉じ込めていた
授業中こっそり 回した手紙
くだらないことで 吹き出した午後
西日に染まった 放課後の廊下
図書室の古い紙の匂い
購買部で競り合った あのパンの味も
全部 全部 宝物になる
チャイムの音が 終わりを告げても
胸の鼓動は まだ止まらない
大人になるって どういうことだろう?
正解なんて 分からないけれど
この痛みさえ 愛おしいと思える
私でいたい ずっと
あの体育館裏の水道も
柔道場の汗臭さ
科学準備室の気味の悪いホルマリン漬けも
みんな みんな 私を創った思い出
泣いて笑って 扉を開けよう
春の風が 背中を押すから
